小児鍼について⑥
2016年2月24日
「小児鍼」とは、生後三か月から十歳ぐらいまでの子どもにおこなう鍼のことで、基本的には大人の治療と同じように鍼を打つことで自然治癒力を高め、様々な症状を改善していきます。
では、どのような場合に小児鍼を使うかというと、疳の虫や夜鳴きが一番多いです。
疳の虫というと、最近ではあまり聞きなれないかと思いますが、症状としては、よく泣く・奇声を発する・人に噛みつく・爪を噛む・指をしゃぶる・すぐ暴力を振るう・落ち着きがないなどが挙げられます。
他にも眠りが浅く三十分ごとに起きてしまったり、便秘のために発熱した子どももいました。
お母さんたちにしてみれば、「なぜ泣くのだろう?」など心労が絶えないようで、大変だと思います。
子どもの前頭葉の発達に伴い、知恵がついて脳が疲労しやすくなり、子どもなりにイライラが溜まっているのだろうと考えてください。
小児鍼では大人に刺す鍼とは違い、平べったいものや先が丸くなっている鍼を使い、ソフトに擦ったり、ツボに当てたりして皮膚を刺激します。
軽い皮膚の刺激であっても、感受性が強く刺激に敏感な子どもには十分な効果が期待できます。
ただ効果には個人差があり、すぐに現れる子どもや二、三日経って効いてく子もいます。
治療方法ですが、子どもは一人では無理なので、必ず付添人の膝の上に座ってもらいます。それからその子の様子や症状を聞いてツボや刺激する場所を選んで擦っていき、手や背中、お腹、頭部とやさしく撫でていきます。
約十分で終わるため時間もかかりません。
最初は泣く子も多いのですが、三回目ぐらいになると気持ち良いのか、すぐに笑ってくれます。
症状が良くなるまで三日~五日連続で治療を受けてもらいます。
最後に疳の虫の改善策として、甘いものを食べさせ過ぎないようにすることと、ビタミンやカルシウム、イオン系飲料水などを十分に摂取すると少しは治まるかと思いますのでお試しください。
健康増進のため、小児鍼をすることをお勧め致します。