膝の痛み⑤

2016年2月17日

今回は膝痛についてお話ししたいと思います。膝関節は身体の中で最も大きな関節で、大腿骨(だいたいこつ)、脛骨(けいこつ)、みなさんが「お皿」と呼んでいる膝蓋骨(しつがいこつ)の3つから成り立っています。

さらに関節面は関節軟骨というクッションで覆われており、大腿骨と脛骨の間には半月板と呼ばれるクッションもあります。

その他、大腿骨と脛骨の間には4本の靭帯と呼ばれるワイヤーのようなものがあり、関節が前後左右にぶれないように保たれています。

膝痛の原因として最も多いのが「変形性膝関節症」です。これは加齢に伴って膝が老化し、先に述べた関節軟骨がすり減ったりして、次第に骨そのものがクッションを失って変形してしまうのです。

特に膝の内側部に痛みが出ることが多く、立ち上がる時など動き始めに痛みが多く出ます。

症状が進行してくると、夜寝ているときに痛んだり、起床時に膝が曲がらなくなったり、正座や階段の上り下りなどで特に痛みがひどく出ます。

最後にはじっとしているだけでも痛みを覚えるようになり、足を動かすのもままならなくなってきます。

こうなると関節に炎症を生じ、自分で触っても膝に熱を感じることができます。よくこのような場合に「膝に水が溜まった」と言われますが、この水自体は本当は悪いものではなく、膝の動きを滑らかにしたり、関節軟骨の栄養に大切な役割を果たしています。ただし、関節炎のため多量に関節液(水)が分泌されてしまうのです。そうなってしまうと、逆に炎症の沈静化や関節の運動には邪魔になってしまいます。

炎症の出ている場合は、とにかく安静にして冷湿布などで冷やすことです。お風呂などもできるだけ浴槽に入らない方が良いです。そして早めに受診されてください。

また、家庭でできる膝痛の予防法としては、お風呂でゆっくりと温めながら、浴槽内で関節をゆっくり伸ばしたり縮めたりして可動域を広げてあげるように頑張ってほしいです。

今回覚えてほしいことは、膝を触ってみて熱かったら冷やす!それほど熱を感じなかったら温めることです。

次回の膝痛のお話もお楽しみに!

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