鍼について⑫

2016年2月17日

今回は「鍼灸」の鍼について書きたいと思います。

日本では、遣隋使や遣唐使と共に伝来したと言われています。

そんな昔から現在に至るまで、この技術が残っていることが全てを物語っています。

よく患者さんから「鍼は痛くないの?」と聞かれますが、鍼の太さは髪の毛ほどの0.12㎜~0.22㎜です。

注射針と比べると、注射針は0.65mm~1.2mmで鍼の5~10倍の太さになります。

主に使用するのが0.12mmの太さで、長さも症状や使用目的によって使い分けをしています。

「鍼はなぜ効くのか?」という研究も少しずつ解明されつつあるようで、「脳内モルヒネ様鎮痛剤が分泌されて痛みが和らぐ」「血液やリンパの流れが良くなり、筋肉の緊張が和らぐ」「ホルモンや自律神経のバランスが整えられる」「白血球などが増加し、免疫力が高まることにより生体防御機構が強化される」など、各種の病気に対して有効であることが分かってきています。

また「鍼で感染はしませんか?」という質問もよく聞かれますが、使い捨てのディスポ鍼を使用していますので、感染の心配は一切ありません。

鍼は副作用全くありませんし、経六(ツボ)に鍼を行うことで自己治癒能力を高めて治療します。

「鍼をした後に、お風呂に入ってもよいですか?」とよく聞かれるのですが、鍼をしたところから菌が入ったり、傷が残ったりすることはありませんので、入浴しても大丈夫です。

ただ、鍼をしたあとは血液の循環が良くなるため、治療後2~3時間くらい経ってから入ることをおススメします。

入浴すると治療した効果がかき消されてしまうので、もったいないです。

なお、血液の循環がよくなったために、一時的に身体のだるさなどが残る場合もありますが、徐々に取れてきますので安心してください。

鍼をすることで、「気」の流れ、血液循環を盛んにし、本来のバランスのとれた身体の状態に整えることができます。