㉛花粉症と鍼灸

2017年3月7日

最近よく「花粉症の治療はありませんか?」と聞かれることが多いです。

テレビでも「花粉予報」のコーナーを設けて、その日の花粉の飛散予測を地域別に数字で示して報道しているほどです。

「わずらった者でなければこの苦痛は分からない」と言われるほどひどい患者さんもいます。

主な症状としては、目が痒い、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの典型的なものが多いようです。

目の縁が少し赤くなり、鼻をずるずるいわせている方をよく見かけます。

僕が子どもの頃には、花粉症の人をあまり見かけませんでしたが、ここ数年のうちにいきなりなったという方も多くみられます。

実際に春先のスギ花粉をはじめ、秋でもススキの花粉が飛んでいるそうで、一年中なんらかの花粉症が多くみられるようになりました。

どうしても納得がいかないのは、昔はスギのそばで遊んでいても誰一人くしゃみや目が痒いという人もいなかった点です。

あれだけスギの木を足で蹴って花粉を落として遊んでいたのに、なぜ花粉症にならなかったのだろうと考えました。

例えば、花粉と一緒に様々な物質が空気中を飛んでいるからなのかなと思います。

しかし、前に述べたように花粉症はなったものにしかわからないのです。

当院では、花粉症には主に灸治療をしています。

肩外兪や孔最穴、あ門穴(「あ」はやまいだれに亜)などの経穴に用いて刺激していきます。

肩外兪は目の外側の病気によく用います。

他にも流涙症や眼瞼の炎症、眼精疲労、発赤など治効する作用があります。

あ門穴はくしゃみ、鼻づまり、鼻水の3点セットによく治効します。

孔最穴については、普段は灸をするのですが、できる人には鍼刺激をしています。

ツボを常に刺激するようにツボ刺激をはらせてもらっています。

また、鍼灸の刺激でなくても、押すだけでも効果的なので押してみてください。

それから、鼻から水を吸い込む鼻うがいが、かなり効果的でした。

僕にとってはですが(笑)

あとは、これからの季節は花粉の飛散が少ないことを祈るばかりです!