五十肩について⑪

2016年2月14日

五十肩は、長時間の不動、または使い過ぎにより筋肉や腱の収縮性が減少・萎縮など組織上の変化を生じることで起こります。

そして関節包や滑膜、腱や腱板(肩の回旋運動を行う筋肉の腱の集まりのこと)などの肩関節周囲の組織に生じる炎症性の疾患のことでもあります。

腱板や上腕二頭筋長頭腱は、肩関節の運動時に圧迫や摩擦を受けやすく、炎症が生じると肩を上げることすらできなくなります。

五十肩を経験された方は分かると思うのですが、徐々にこわばりを感じ始め、特に朝起きた時にだるい、重たいなどの症状を肩に感じてきます。

更に今度は、常に起きているとき、肩を運動させるとき激しい痛みにおそわれてきます。

特に腕を回す、髪を結う、腰の後ろでひもを結ぶ、背中をかくといった動作が困難になります。

重症の場合、肩はほとんど動かなくなり、夜寝ているときでも激痛で目が覚めてしまうこともしばしば出てきます。

五十肩になった場合の注意点として、日常生活で気を付けないといけないのは、肩を安静にし、局所をあまり刺激しないようにすることです。

この時期によく聞くのが「肩を動かさないとコリのまま固まってしまう」と指導を受けることが多いらしいのですが、僕はやはり肩に炎症を持っているときは、炎症が取れてくるまで安静にしておいた方が良いと思います。

クーラーの入った部屋にいることが多くなる季節には、冷えると特に痛みが倍増しますので、特に注意が必要になります。

治療としては、炎症を鎮めて疼痛を取ることに全精力を費やし、機械的刺激によりこれ以上の炎症を生じないようにすることです。

そして、周囲の筋肉や腱のこわばりを軽減し、痛みや炎症がなくなってきてから初めてストレッチ訓練や関節の可動域を大きくしていくようにすると良いと思います。

五十肩の痛みは個人ではどうすることもできないので、一刻も早い治療をお勧めします。

また日常生活上、痛くてもどうしても使わなけれはならない人も多いと思いますので、使いながらでも良いですから早期に治療していきましょう!

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